昨日は卵の白身ワークを通して「境界線」のお話をしました。人間関係において「境界線」って非常に大事だと思います。
心を病んだり不安定な人は、この「境界線」が曖昧か、全く無かったりします。むしろ、それが原因で人間関係で傷ついて心を病む、というケースが多いのではないでしょうか。
「友達に相談しようとして電話したら忙しいと断られた」
「挨拶したら不機嫌そうにされた」
「LINEしても既読スルーされてしまう」
こんなことで悩み、落ち込んだ経験はありませんか?
そして「自分は嫌われてるんだ」とネガティブな想像が膨らみ、どんどん心が暗い方に傾いてしまう。
かと思うと、ちょっと優しくされると嬉しくなって、その人にどんどん甘えてしまう。自分で考えなきゃいけないことも、考えないですぐ友達や家族に「どうしたらいい?」と聞く。
たまには良いでしょう。誰だって人に頼りたい、甘えたい時はあるし、お互い様。でも度を過ぎると、それは「依存」になります。自分で何も考えない、何もできない、他人まかせな状態。
そんな人に依存されたら相手はどう思うでしょう。「そんなことぐらい自分で考えなさいよ」と突き放したくなります。自分のことは自分で考えて、行動して、その結果ちゃんと自分で責任を取る。それが依存していない状態、つまり「自立」です。動物だってそうしてます。いや、動物の方がもっと自立してるかもしれない。自分で食べ物を探し、次の獲物を探すために行動し、時には戦い、死ぬときは潔く一人で死んでいく。人間の方が動物より知能があるのに、なぜ自立できないのでしょうね。見習いたいものです。
あなたが他人に「自分の寂しさを埋めてほしい」と依存すればするほど、人はあなたから離れていく。それは「重い」からです。あなただって他人からベターッと寄りかかられると重くなりませんか?「自分で何とかしてよ」と突き放したくなりませんか?
そして悲しいことに、依存する人は依存させる人を引き寄せるんです。あなたを支配する人。「私がいないとあなたは何もできない」と思い込ませ、ますますあなたを依存的な人間にさせる人。こんな関係を「共依存」と言います。後日詳しく書きますが、親子やカップル、夫婦など、共依存関係で苦しんでいる人は非常に多く、こんな不健康な関係は周りまで巻き込んで不幸にします。もしあなたが少しでも依存するところがあるのなら、これをきっかけに自分を変えて行きましょう。あなたや周りの人たちを不幸にさせないためにも。
そこで、こんなイメージをしてみてください。
他人とあなたの間に、幅が2メートルぐらいの川が流れています。あなたがその人に会いに行く時は、橋を架けて渡らなければいけません。あなたはそう簡単に会いに行けないのです。その人にはその人の生活があり、世界があり、時間がある。もちろんあなたにも。お互いの間には川が流れており、それがあるおかげで、お互いを侵入することなく節度を持って付き合えるのです。
でも、橋を架けて会いに行く時には、お互いを気遣いながら楽しい時間を過ごします。それは川があるから。ふだんその人の領域に勝手に侵入したり、ベターッと依存せず、節度を持って付き合っているから、良い関係でいられるのです。
この川も「境界線」。これがあれば相手の領域にそう簡単に侵入しないし、あなたも侵入させることはできません。結果、あなたの心を守ることになるのです。
人と人の間には川が流れている。あなたはあなた、人は人。それぞれ、自分の領域を持ち、自分の力で土地を耕し、生きていかねばなりません。でも辛い時は橋を架けて話を聞きにもらいに行ってもいい。そしてあなたも誰かが辛い時は迎えてあげましょう。橋をいつ、どう架けるか。それもあなたが自分で考えなくては。でもそうやってあなたは自分の力で生きていく強さを身につけていくのです。
川があなたを強く成長させてくれますように。心から祈っています。