もともと恋愛体質だった。
片思いという報われない恋だとしても、常に好きな男性がいた。恋が私のエネルギー源だった。
なーんて言うとフランソワーズ・サガンの小説みたいでカッコいいけど、実は男性にぶら下がりたかっただけ。昨日書いたように「お姫様気質」の私は、何でもしてくれて甘えさせてくれる男性が欲しかった。こんなの恋じゃない。ただの「依存」だ。楽したいだけのナマケモノだ。
だけど、
「自分の力で生きる」
と決めたとたん不思議なことに恋がどうでも良くなって来た。そりゃトータスみたいにいい男がいたら嬉しくて仕方がない。でもだからどうにかしようとは思わない。年齢のせいでしょ?アラカンにもなって恋だなんて・・と笑うあなたは世間知らず。アラカンでもアラセブンでもアラエイトでも、恋する女はいるんです。女は灰になるまで一生女。
「この年で今さら恋なんてバカバカしい」
と笑ってるおばちゃんは「女」を放棄したこれもナマケモノ。本当に女でいる人は口には出さないだけで、密かに恋する思いを秘めている。私もそうだ。今も好きな人がいる。誰にも言わないだけで、ずっと恋の炎が燃えている。
しかし。
もう男性にぶら下がろうとは思わない。何でもしてもらおうとは思わない。ましてや依存だなんて冗談じゃない。だって私は「男に頼らなくても自分の力で生きていける」のだもの。
ただ好きな人を思い、恋の炎を感じることで生きていることを実感できる。それだけで充分だ。
そして私は忙しい。アーティストとして作品を作り、食べて行くために文章やイラストやデザインをし、スキルアップの勉強もしなければならない。恋にかまけている暇がない。
でも恋も女も捨てたわけじゃない。恋のために行動はしないけれど、密かに恋の炎を絶やさないでいる。そうして私は生きていることを実感し、目の前のことを一つずつしっかりとこなして行く。頂上にある夢を目指して。これこそが「恋をエネルギー源にしている」状態じゃないだろうか。
密かに恋の炎を秘めつつ、恋どころじゃない私。毎日やることがいっぱいで時間をどうやりくりしようか悩むけど、充実感で満たされている。ようやく私は恋に振り回されなくなった。恋と良い距離感を持てるようになったのだろう。これこそたくさんの恋を経験してたどり着いた境地。
さあ、恋をしよう。ワクワクやドキドキをいっぱい味わおう。恋に振り回されて痛い目にも会おう。失恋もしよう。そうしていろんな経験を積んで恋と良い距離感を持てるようになった頃、自分にふさわしい本物の恋がやってくる。お互いを支配したり依存したり傷つけあったりせず、尊重しあえるWinWinな関係の恋が。
忙しくて恋どころじゃないくせに、そんなことを思い、こんな駄文を書いているのだ。フランソワーズ・サガンになりきって。さあパソコンを閉じて作品作りにいそしもう。恋の炎が燃えている心のドアもしっかり閉じて。