そんなに自分を追い詰めないで

ココロの部屋

今日、久しぶりにある知人に会いました。

仕事がらみの付き合いなのでそんなに深い関係ではないのですが、この人に会うといつもホッとする。そんな安心感がある人なんです。

 

今日の私は疲れが溜まっていた上に、

「あれをやらなきゃ」

とやることが一杯で気持ちが焦っていました。

焦るとロクなことがありません。ミスをしやすいし、それをカバーしようと更に焦ってしまう。自分でもそんな性格がわかっているので、

「今の私、ヤバいな」

ともう一人の私が冷静に見ていました。

 

今後じっくりお話しますが、「もう一人の自分」を持つことはとても大事です。特に思い詰めやすい真面目なHSPさんには。心を傷めてからいろんな治療法を学ぶうちに、「もう一人の自分」を育てていけるようになりました。それがあるだけで心がだいぶ楽になります。「まあまあ、そんなに思い詰めず、ちょっと休憩しようよ」と、肩の力を抜くように、真面目な自分にアドバイスできるからです。

 

今日も私は思い詰めて、焦っていました。

でも「もう一人の自分」が「ヤバいよ」とアラームを鳴らしてくれました。そんな時に、この知人と会ったのです。

 

彼女と仕事の話を一通りした後で、

「帰りは私の車で送りますね」

と言ってくれたので、お言葉に甘えることにしました。

 

そして彼女の車に乗ったとたん、言いようのない安らぎを感じました。甘いフルーツ系の消臭剤の香り。その横にちょこんと座っている小さな「プーさん」の人形。花のステッカー。スピーカーから流れる優しい男性ボーカルのJ-POP。全て彼女のお気に入りなんでしょう。お気に入りに囲まれたこの車は、彼女のリラックスルームなのかもしれない。

 

彼女は安心感にあふれる女性、と最初に書きました。でも実生活では大変な事情を抱えているそうです。生まれつき難病を抱えたダンナさんと、介護が必要なダンナさんの親の面倒を見ながら、自分も持病を抱えて毎週大きな病院に通院している。そして三人の子を持ち、まだ高校生なので学費を稼ぐために通院しながらも働かなければいけない。

 

普通なら愚痴の一つや二つ、いや、それ以上こぼしたくなるでしょう。何で私だけこんなに大変なの?そんな思いが積み重なり、顔も雰囲気も暗くなりがち。でも彼女はいつもゆったり構えて、ほがらかに話し、優しい笑顔を見せ、周りをホッとさせているのです。無理してそうしているわけじゃなく、自然にふるまっている。それが伝わってくるのです。

 

今日彼女が運転する車に乗っていろいろ話をしていると、こんなことをつぶやきました。

「いろいろあるけど、ま、いっか。何とかなるわ、って思うの。だっていつも何とかなってるんだもん。私、のんきなのかしら?」

あははと明るく笑う彼女に、私は気付かされました。

自分の余裕の無さに。

 

HSPは感じやすく、真面目で深刻にとらえてしまいがちです。そしてどんどん自分を追い詰めてしまう。心がいっぱいっぱいで余裕がないんです。だから苦しいんです。

 

彼女ほどとは言わないけれど、ほんの少しでも余裕があれば。うまくいかなくても、「ま、いっか」「そのうちうまくいくだろう」「今は待つ時期なんだな」とゆったり構えられるし、悩みにエネルギーを使わず、自分をいたわることに使えます。

 

彼女の車がお気に入りに満たされ、ご機嫌で運転しているのも、自分をいたわっているからなんでしょうね。

「実生活でいろいろ大変だけど、この車に乗ってる時は自分がハッピーになるものでご機嫌にしてあげよう」

無意識でそう考えているのかもしれません。そう思える余裕が、私たちHSPには必要なんだと思います。

 

彼女と別れてから、私は肩をぐるぐる回して、深呼吸して、空を眺めてみました。

「ま、いっか。いろいろやることがあるけれど、目の前のことをコツコツやっていけば何とかなるだろう」

そうしたら彼女と会うまでの焦りが消えて、すーっと楽になりました。

 

あなたは今、思い詰めていませんか?

いっぱい、いっぱいじゃないですか?

崖っぷちに立たされてる気がしますか?

 

どうか、そんなに自分を追い詰めないで。

深呼吸して、体をほぐして、自分を緩めてあげてください。

私の知人のように、お気に入りに囲まれて、自分をいたわってあげてください。余裕があれば、辛いことも意外とスムーズに解決することだってあるんです。

 

あなたの心にゆとりができて、少しでも楽になりますように。

 

 

 

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